April 15, 2016
気候変動の影響で、コーヒー栽培が森林破壊の新たな要因になる可能性
気候変動の影響と将来のコーヒー需要の増加により、コーヒー生産が、最後に残された手つかずの熱帯林や、そこからもたらされる、食料供給、炭素貯蔵、生物多様性、水源涵養などの生態系サービスを脅かす可能性があることがわかりました。
このほどCIでは、「21世紀のコーヒー:気候変動と需要増加によるあらたな森林破壊の脅威(原題:Coffee in the Twenty First Century: Will Climate Change and Increased Demand Lead to New Deforestation)」と題したレポートを発表しました。このレポートは、私たちにも馴染みの深いコーヒーの原料であるコーヒー豆の生産が、いかに気候変動により栽培適地の地理的な広がりにインパクトを与えるか、という観点から、将来の需給バランスについて分析したものです。
すなわち、コーヒー農家が 農園の生産性を高めることができなければ、気候変動が将来的に進展した場合に、コーヒーの栽培適地が地理的に移動することにより、今後世界的に増加が予想されるコーヒー需要を満たすために、新たなコーヒー農園の開拓が森林破壊の新たな要因となりえると結論付けました。
本レポートでは、今後の世界のコーヒー需要を満たすためには、2050年までにコーヒー生産量を現在の3倍、すなわち今より年間400万から最大1400万トン多いコーヒー生産量が必要になると予測しています。そして、それだけのコーヒーを生産するためには、単位面積当たりの生産性を高めるか、生産地の面積を増やすかしか道はありません。
その一方で、今後気候変動が進展することにより、栽培適地は現状から半減する可能性をレポートでは指摘しています。現在、コーヒー栽培に適した土地のうち、実際にコーヒー生産に使われているのは、その2%未満でしかなく、将来的な産地拡大の余地が十分あるようにも思えます。しかし、気候変動によってもたらされる栽培適地の地理的な変化は、現在、森林で覆われているような地域へ産地を移動させる要因となり得ます。
本レポートでは、2050年には、コーヒーの栽培適地の20%が熱帯林などの保護地域の境界内に重なってくると指摘しています。特に、南米のアンデスと中米、東南アジアなどのコーヒー産地では、今後コーヒー生産が森林破壊の大きな脅威となると警告しています。今後、世界的なコーヒー需要の高まりを満たしつつ、気候変動によって移動していくコーヒー産地、特に標高が比較的高く貴重な熱帯雨林が残された地域において、いかに豊かな自然(それは多くの自然の恵みを人間にもたらしてくれる源でもある)との共生を実現していくかが、持続可能な発展に向けた課題となります。
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